粗品の四兄弟ごっこ



粗品が仲の良い芸人を集めて四兄弟言うている。
1番腹立つ男が役満を和了ってしまい現場は大混乱の四兄弟麻雀【デカピン(ソシー)麻雀#20-2】

そもそもが、兄弟とは仲の良い人間の集まりではない。仲の良い人間が集まったら兄弟になる訳ではない。兄弟とは仲の良し悪しに関わらず、生まれた時から兄弟なのである。後から自分の好きな人間だけを集めて兄弟になれるものではない。
分別のある大人になってから、自分の気に入った人間たちを、自分の意思で兄弟だと言えてしまう粗品が羨ましい。
オレは生まれた時から兄がいて、自分の意思など関係なく兄がいた。分別の付かぬ幼少期から兄弟だった。何でも半分こにしなくて良い大人になってから、自分の意思で自分の気に入った人間だけで固めて兄弟になれる粗品が羨ましい。
イヤになれば即刻縁を切れる関係の兄弟がいるって羨ましい。良い時だけ兄弟の関係を吸えるのって羨ましい。

兄弟を兄弟たらしめるものは、血の繋がりと、幼少期を共に過ごした記憶だ。
好きも嫌いもない。友達でもない。兄弟だから兄弟なのだ。
他人と一緒にいて、お互い無言でいるのはキツい時間だ。何か話さなきゃと心が焦る。兄弟とは無言でいても苦じゃない。
そもそもの関係性が他人とは違う。

仲の良い人間たちを集めて兄弟ごっことは楽なものだ。良い時期だけ楽しめばいいのだから。関係がこじれれば他人として離れればいい。
20年経っても30年経っても粗品の言う四兄弟は兄弟でいられるのだろうか。今、信頼し合っていること、それがこの先もずっと続くと思い込んでしまうのは考えが浅い。
仲が悪くなれば簡単に縁を切れる他人を、兄弟だと言えてしまう思考は浅はかだ。
兄弟は仲が悪くなっても険悪になっても死ぬまで縁は切れない。

幼少期には兄の後ろをついて回り、反抗期には毎日ケンカし、思春期には会話をしなくなり、お互い独立してようやく、穏やかな関係性が生まれる。兄弟とは、そうした長い時間の堆積でしか形にならない。




一人っ子には死ぬまで分からない。
本物の兄弟は、仲が悪くなっても、険悪になっても、縁を切るという選択肢がない。死ぬまで続く関係だ。一人っ子には、この“逃げ場のなさ”も、“逃げる必要のなさ”も分からない。
ある程度分別のつく大人になってから仲良くなった人間を兄弟だと言えてしまうのが羨ましい。本当の兄弟とは分別もつかない生まれた時からずっと一緒にいて、好きと嫌いが交互にランダムに訪れ、今に至るものだということを知らずに、大人になってから仲良くなった人間を兄弟だと言えてしまうのが羨ましい。
粗品は一人っ子だから死ぬまで兄弟というものが分からないだろう。だからこそ、簡単に他人を兄弟だと言えてしまう。
まあ彼の母親がこれから彼の弟を産むことがあれば理解できるだろうか。

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